細菌の薬剤耐性  どうして細菌は抗生剤に強くなるのか

 
 

    抗生物質がなかなか効かない細菌が増えてきていることは、新聞やテレビなどを通して 皆さんご存知のことでしょう。
    ではなぜ細菌は抗生物質に強くなってきているのでしょうか。
     一言で言えば、細菌は自分が生き延びるためにあらゆる手段をとって抗生物質という敵の攻撃をかわそうとします。そのしくみはとても複雑で、またとても巧妙なものです。 大きく分けて次のような分類ができます。

@     細菌がある物質をつくり、抗生物質を分解してしまう(分解による不活化)ことや、抗生物質の形を変えてしまう(修飾による不活化)こと
A     抗生物質がはたらくはずの細菌の構成部分が変化する(作用点の質的変異)ことや、その構成部分がとてもたくさんつくられることによって抗生物質がはたらかない部分が増えてしまう作用点の量的変異)こと
B     細菌が自分の体の構造を変え、抗生物質が体に入りにくくする(流入阻害)ことや、細菌が一度細菌の中に入った抗生物質をポンプのはたらきを使って再び外へ出してしまう(排出)こと

    このような仕組みを一つではなくいくつか組み合わせて細菌は抗生物質に対して必死に抵抗しますので、薬剤耐性の問題はかなり難しい点をかかえていることになります。
こうして抗生剤に強くなった(耐性化)した細菌は、その遺伝子をいろいろな方法を使って他のまだ耐性化していない細菌に伝えていき、仲間を増やしてゆきます。その結果ある種の細菌は、時間がたつとある抗生剤がまったく効かなくなってしまいます。 近年の抗生剤の開発は、この細菌と抗生剤のいたちごっこが続けられているのが現状です。

 
 


抗生剤の選び方