インフルエンザワクチンの効果について

インフルエンザワクチン

ワクチンにもいろいろありそれぞれの特徴や効果の違いがありますが、毎回申し上げていますように、インフルエンザワクチンはインフルエンザを予防する効果はそれほどつよくありません。
そのもっとも大きな理由は、現在使われているワクチンがインフルエンザウイルスの表面の赤血球凝集素(HA)というものを利用したHAワクチンといわれる不活化ワクチンであるからです。
ワクチンを受けた後抗体が血液中にたくさんできてウイルスをたたきつぶす準備を整えても、のどや鼻の粘膜に抗体がは十分に行き渡りません。一方インフルエンザは最初にのどや鼻の粘膜で急激に増えてしまうのでワクチンはこれを十分におさえることができないのです。 しかしウイルスが肺や全身に広がることは防ぐことができますので、大きな合併症を起こすことは少なくなります。
ワクチンを受けていてもインフルエンザにかかってしまったとき「ワクチンを受けて損した」と思うよりも「ワクチンを受けていてよかった」と考えるべきです。車の保険は事故を防ぐことはできません。事故を起こしたときに保険をかけておいてよかったと思うのとよく似ています。