■ 車内放置 死の危険 炎天下の県内 乳幼児の搬送相次ぐ 鍵の誤作動要注意 | 8/23(日) 1:04配信 |
北日本新聞 炎天下の車内での熱中症リスクを調べる検証の様子(JAF提供) 炎天下の車内に幼い子どもが取り残され、熱中症になるケースが県内で後を絶たない。富山市では6月以降、乳幼児が搬送される事案が少なくとも3件発生している。富山地方気象台によると、県内では今後1週間、最高気温が30度を超える真夏日が続く見通し。専門家は、電波で開閉する鍵の誤作動や子どもの「置き忘れ」に注意を呼び掛けている。(市江航大) 富山市消防局によると、今年は6月に0歳男児、8月8日に男児(1)が車内にいる状態で車の鍵が開かなくなった。同9日にはショッピングセンター駐車場で男児(3)が約1時間半にわたり車内に取り残された。いずれも軽い熱中症で病院に運ばれたという。 熱中症は避けられたが、高岡市では今月19日、男児(1)が鍵のドアロックボタンを押し、約10分間閉じ込められた。男児の祖母がくわで助手席のガラスを割って救出し事なきを得た。 日本自動車連盟(JAF)が気温35度の炎天下を想定して行った検証では、エアコン停止後15分で、車内の温度や湿度などから算出する「暑さ指数」は人体に危険なレベルに達した。JAF富山支部は、鍵が車の中にある状態でドアロックが掛かる「キー閉じ込み」に警鐘を鳴らす。 同支部が昨年8月にキー閉じ込みで出動した事案のうち、4件は子どもが取り残された状態だった。広報担当者は、電波でロックを解除するスマートキーに対応する車で閉じ込みが起こりやすいと指摘し、「電池が減っていると電波が弱まって認識が途切れ、鍵が閉まる場合がある」と言う。 親が子を置き忘れるケースもある。1年前にアパート駐車場で生後11カ月の女児が亡くなり、起訴された母親は「酒に酔っていて降ろすのを忘れた」と供述していた。今月9日に富山市で起きた事案では、保護者がショッピングセンターなどで用事を済ませていたとみられるという。 新潟青陵大大学院の碓井真史教授(社会心理学)は、突発的な出来事が発生した場合、人はその後に予定していた行動を忘れることがあり、ストレスや疲労も「置き忘れ」の原因になり得ると説明。「忘れることと人の思いは別で、誰にでも起こり得るミス」と指摘し、置き忘れ防止グッズの活用や、降車時の車内確認を習慣化することが有効と語った。 |