■ 内感染新たに277人、死者83人に 急増の東京、軽症者向けにホテル調整4/2(木) 21:18配信




毎日新聞








 新型コロナウイルスの感染拡大で2日、東京都で過去最多の97人の感染が判明するなど計277人の感染者が確認された。1日の感染者数としては過去最多。クルーズ船などを含む感染者は計3481人。札幌市の50代男性、福井県越前市の50代男性ら3人が死亡し、死者は83人になった。



 大阪府では新たに33人の感染が確認された。京都府では、クラスター(感染者集団)が発生したとみられる京都産業大の学生2人の感染が新たに判明。福岡県では同じ介護老人保健施設で利用者ら8人の感染が判明しており、クラスターが発生した疑いがある。【まとめ・日野行介】

 ◇都内の受け入れ可能病床数が逼迫

 東京都は2日、都内で新型コロナウイルスの感染者が新たに97人確認されたと発表した。1日の感染確認者数としては最多。感染者数は3月25日以降、40〜70人台でほぼ推移していたが、100人台に迫り感染拡大の傾向が顕著になった。都内は患者の急増で受け入れ可能な病床数が逼迫(ひっぱく)しつつある。都は軽症・無症状の患者は、病院外で療養させられるよう感染症法の運用見直しについて国と最終調整しており、受け入れ先と想定するホテルと交渉も始めた。

 都によると、2日に確認された感染者のうち33人は感染経路が不明。都内の感染者数の累計は684人となった。同日確認された97人のうち、患者や医療従事者で100人を超える感染者が出ている永寿総合病院(台東区)は21人。都関係者によると、慶応大病院(新宿区)の感染者も10人程度含まれていた。

 都は感染者の受け入れができる病床の確保を進めており、2日までに感染症指定医療機関140床を含め700床を確保した。ただ、2日時点で都内の入院者数は600人を超えるなど厳しい状況が続いており、最大4000床の確保を目指し準備を進めている。

 一方、感染症法に基づき、患者は症状の有無や軽重にかかわらず、全員を入院させている。患者の8割程度は軽症や無症状で、都は入院を重症者に絞って病床数にゆとりをもたせ、軽症や無症状の患者を宿泊施設などで受け入れるため、ホテルを1棟ごと借り上げることができるよう調整を進めている。

 軽症者の対応では、政府は東京都も含め、ベッド不足の恐れがある地域で自宅やホテルでの療養を検討しており、厚生労働省が3日にも、具体的な方針を自治体に通知する。小池知事は2日、報道陣の取材に対し「(爆発的に患者が増える)オーバーシュートしてからでは遅いので、医療崩壊を起こさせないように対策を打っている」と話した。

 都内では40代以下の感染者が増えており、2日に確認された97人のうち60人と約6割を占めた。都は「夜の街」での感染が拡大しているとしてカラオケやナイトクラブなど接待を伴う飲食店に行くことも控えるよう呼びかけている。

 また1日時点の居住区市町村別の患者数では、前日に続いて世田谷区が最多の54人で、港区が40人、新宿区と杉並区がともに30人だった。【古関俊樹、内田幸一、斎川瞳】