| ■ インフルエンザ昨年比400万人減 新型ウイルス対策と暖冬の効果か | 2/29(土) 16:38配信 |
新型コロナウイルスの影響が拡大する一方、インフルエンザの流行は昨シーズンより少ない状況が継続しています。今シーズンの大きな特徴は、例年のピーク時期に患者数が増えなかったことです。 厚生労働省がまとめた昨シーズンと今シーズンの定点あたりの患者報告数を比較すると、今シーズンは早い時期から流行が始まって12月までは昨シーズンを上回る報告数で推移しました。しかし、例年、患者数が急増する年末から年始に関してほとんど変化が見られず、1月20〜26日の報告数は約3分の1に留まっています。 . ウイルス対策が功を奏す形に 理由の一つとして考えられるのは新型コロナウイルスです。1月16日に日本で最初の感染者が確認されたこともあり、例年以上に手洗い等の対策が徹底して行われています。こうした対策はインフルエンザの予防と共通で、流行しやすい気象条件となった立春後の寒波の際も、患者数の増加は見られませんでした。 今シーズンの累計の患者数は約695万人で、医療機関の状況等に違いがあるものの、昨シーズン同時期の約1108万人に比べ、400万人余り減少しています。 . 暖冬で「絶対湿度」が高く推移 もう一つの大きな理由としては、暖冬傾向があると考えられます。 インフルエンザウイルスの活動の目安として「絶対湿度の数値が低いほうが流行しやすい」とされています。 そこで、今季の絶対湿度の変化を東京の例で見てみると、12月の終わりから1月いっぱいは昨シーズンよりも絶対湿度が大幅に高い状況でした。 暖冬の今季は太平洋側を低気圧が通過しやすくなりました。そのため、1月の東京は日照時間が17年ぶりの少なさで、降水量が1年ぶりに100mmを超えるなど、例年のような乾燥した晴天が少なく、絶対湿度の変化に良く表れています。 ただ、低調とはいっても、流行は依然として継続しています。また、今年はいつもの年と様々な条件が違うため、要因はいくつもあるかもしれません。今後も新型コロナウイルスだけでなく、インフルエンザへの警戒もしばらく続けるようにしましょう。 |