■ 小児例相次ぐ、北海道で小学生の兄弟、埼玉では未就学児2020/02/22






















　日本の新型コロナウイルス感染症（COVID-19）で2月21日、子どもの患者の報告が相次いだ。北海道では小学生2人が、埼玉県では未就学児1人が、それぞれ確認された。2月18日には、和歌山県で濃厚接触者から、10歳代の無症状例が確認されている。

　北海道で2月21日、新たに3例の患者が確認された。2人は10歳未満と10歳代の兄弟（小学生）、もう1人は40歳代の女性で、小樽検疫所千歳空港検疫所支所に所蔵する検疫官だった。3人とも海外渡航歴はなく、詳しい行動歴について調査中だ。北海道ではこれで8例となった。

　小学生2人の経緯は以下の通り。



10歳未満・男性（中富良野町、北海道6例目）
症状・経過：
　2月15日；発熱（37.7℃）。医療機関A受診
　2月17日；医療機関A受診
　2月18日；医療機関B受診
　2月19日；医療機関B受診し入院（病院内感染症病棟に入院）
　2月21日；症状は回復傾向（15日以降は登校せず）


10歳代・男性（中富良野町、北海道7例目）
症状・経過：
　2月18日；発熱（37.7℃）。学校を早退し自宅療養
　2月19日；医療機関B受診し入院（病院内感染症病棟に入院）
　2月21日；症状は回復傾向

父親と一緒に帰国した未就学児


　埼玉県では同日、未就学児（男性）の患者が確認された。患児は1月30日、第2チャーター便で父親とともに帰国していた。同日のPCR検査では陰性だった。

　未就学児の経緯は以下の通り。


チャーター便で父親と一緒に帰国した未就学児（埼玉県）
症状・経過：
　2月1日；父親とともに自宅に帰宅。厚生労働省のフォローアップセンターが経過観察
　2月8日；父親が発熱（39.5℃）
　2月10日；父親がPCR検査で陽性に。父親が県内の医療機関に入院となり、濃厚接触者として県内保健所が健康観察。以後、自宅待機で外出はしていない
　2月10～19日；36℃～37℃代前半で経過。時々咳をしていた

中国報告、1月31日時点の確定患者9692人中、小児例は28人のみ


　日本小児科学会の予防接種・感染症対策委員会は2月14日、ウェブサイトで「新型コロナウイルス感染症に関するQ&A（2020年2月12日現在）について」を公表している。

　Q&Aでは、（1）中国からの報告では、1月30日時点で確定患者9692人中、小児患者は28人（生後1カ月から17歳）のみである、（2）小児患者が重症化したという報告はない、（3）ただし、成人例と同様、感染後1週間ごろから呼吸状態が急速に悪化する可能性も指摘されている――などを取り上げている。