■ <医療>子どもからお年寄りまで 熱中症の年代別注意点7/1(日) 10:00配信







毎日新聞







<医療>子どもからお年寄りまで 熱中症の年代別注意点


熱中症予防のため真夏の日中の運動は控えましょう


 関東甲信地方では、観測史上初めて6月中に梅雨が明け、連日うだるような暑さが続いています。気温が高くなると熱中症のリスクも上がります。熱中症にならないために、どのようなことに気をつけたらいいでしょうか。救急医療のスペシャリスト、国際医療福祉大学准教授の志賀隆さんに聞きました。【毎日新聞医療プレミア】

 ◇熱中症が起こる3要素

 夏だから誰でも熱中症になるというわけではありません。では、熱中症になりやすいのは、どのようなことがそろった時でしょうか?

1.環境(気温・湿度・風速・日射輻射<ふくしゃ>などが関係)

2.からだ(高齢者、精神や心臓の病気を持つ方、普段の活動度の低い方にリスク)

3.行動(屋外でのスポーツ、運動や労働など)

 この三つの要素のバランスによって起きるものと考えるのがいいでしょう。

 それではどのようなときに、熱中症を疑うべきでしょうか? 具体的には、暑い環境にいる、もしくはいた後に、以下のような症状が表れている場合、熱中症の可能性を考えます。

 めまい▽だるさ▽頭痛▽吐き気・嘔吐(おうと)▽失神(立ちくらみ)▽生あくび▽大量の発汗▽強い口渇感▽筋肉痛▽筋肉の硬直(こむら返り)▽意識障害▽けいれん▽高体温−−など。

 暑い環境にいたあとに、これらの症状を呈しており、なおかつ感染など他の原因疾患が考えられないという場合には、熱中症と診断します。

 ◇どんなことがリスクになる?

▽若者、中壮年の場合

 熱中症は、若年や中壮年の人が体を動かしているときになる「労作時熱中症」と、高齢者が暑い環境にいることでおきる「非労作時熱中症」に大別されます。平日にオフィスワークをしているみなさんは、普段あまり運動をしていないのに休日の炎暑の日中にスポーツをしたといった時に注意が必要です。前述の環境、からだ、行動の要素が見事にそろうため、熱中症で調子が悪くなることが多いのです。こうした労作時熱中症は、「行動」の面から男性に多く起こります。

 熱中症が起こりやすい時間帯は、正午ごろと午後3時前後の二つのピークがあるとされています。スポーツを行う場合は昼間の時間帯を避け、朝夕など比較的涼しい時間帯にしましょう。

▽高齢者の場合

 高齢者の熱中症の多くは「非労作時熱中症」です。典型的には、気温の上昇とともにエアコンがない、またはあってもつけていない自宅内で重度の熱中症を発症するお年寄りが増えます。非労作時熱中症とは「運動や仕事など」がなくても日常生活の中で徐々に進行する熱中症です。そして、労作時熱中症よりも重症化しやすいという特徴があります。室内で発症する非労作時熱中症は、高齢の1人暮らしの人に多く、精神疾患や高血圧、糖尿病、認知症などの持病があると重症化しやすいと報告されています。

 認知症患者さんのご家族は、このタイプの熱中症があることを知っておいてください。

▽子どもの場合

 子どもの難しいところは、コミュニケーションです。「調子が悪い」「普段と違う」ということを大人のように自ら伝えられないことが多いからです。そのため、家族や大人が子どもの様子を観察し、「普段と違うのでは?」と気付けることが大切です。

 気温が上昇した時に「いつもは元気なのにだるそう」「頭が痛いといって機嫌が悪い」「食欲がなくてだるそう」などのサインを子どもが出していたら、家族や大人が見つけてあげてください。なかでも、水分が取れない、歩けないなど状態がより悪い場合には、医療機関を受診する必要があるでしょう。

 ◇予防で大切なことは?

 熱中症は重症化してしまうと入院なども必要になるため、日ごろから予防を徹底することが大切です。労作時熱中症の特徴は、今まで元気だった健康な人が、気温の高い外気にさらされることで短時間のうちに発症するということです。

 仕事中の熱中症予防のためにできることをあげます。

●涼しい服装をする

●体調を整える、体調の悪いときに無理しない

●炎天下での行動を避ける、慣れない運動などを控える

●休憩の頻度を増やす

●こまめに水分と電解質(ナトリウムなど)を補給する

●夜しっかりと寝て疲労回復に努める

●飲酒は疲労・脱水の原因となるため控えめに

 ◇どんな飲みものがいいの?

 熱中症の対策の飲み物としては、経口補水液やスポーツドリンクなど、水分と電解質の補給に適した市販飲料を取ることをおすすめします。こまめに水分をとって脱水にならないようにすることを重視してください。また高齢者は水分補給の際、塩分が少ない「お茶」を飲む傾向があります。そのため、水分を取っているつもりでも、熱中症対策に必要な電解質が十分に補えていないことがあるのでご注意ください。