■ 「輸入はしか」沖縄で流行 名古屋の男性、感染の可能性 2018年04月13日(金) 12:00 配信


朝日新聞デジタル(アピタル) 医療

 沖縄県ではしか(麻疹)が流行している。最初の感染者からうつった人から、さらにうつる「三次感染」も出始めた。他県にも広がる恐れがあるとして、厚生労働省は全国の自治体に通知を出した。国内のはしかは予防接種の普及で「排除状態」だが、今回は台湾からの旅行者が感染源の「輸入はしか」だった。
 沖縄県によると、台湾から旅行にきた30代男性が、3月19日に発疹などの症状で県内の医療機関を受診。翌日、検査の結果はしかとわかった。男性は17日から3日間、県内を旅行しており、立ち寄った商業施設や飲食店の従業員や客に感染が広がった。
 県内で患者が出たのは4年ぶり。4月7日以降は、旅行者の男性からうつった患者の家族や職場の同僚などにも感染が広がったとみられるケースが出ている。患者は11日時点で計38人に上る。
 また、名古屋市によると、3月28日から4月2日に沖縄を旅行した、同市内の10代の男性がはしかに感染したことが、11日夜に確認された。男性は4〜7日は埼玉県内にいて、7日夕、新幹線で名古屋に戻っていた。市は潜伏期間などから、沖縄で感染した可能性が高いとみている。
 はしかは高熱や発疹が出るウイルス性の感染症。空気、飛沫(ひまつ)、接触で感染し、死亡例もある。かつては国内でも年間10万〜20万人の患者がいた。2006年にワクチンの定期接種が1回から、1歳と就学前の2回に増え、15年に流行を抑え込む「排除」を達成した。
 しかし、今回のように海外からの渡航者や帰国者がウイルスを持ち込む可能性がある。昨年もインドネシアから帰国後に山形県内を訪れた男性がはしかを発症。県外にも広がり50人超の感染者が出た。沖縄では、38人の患者のうち12人はワクチンの接種歴が「なし」あるいは「1回」、23人は打った記憶がないなど接種歴が「不明」だった。
 沖縄での感染拡大が春休み期間中だったこともあり、厚労省は他県にも広がる可能性があるとして11日付で、保健所のある約150自治体と日本医師会に注意喚起の通知を出した。はしかを発症した状態で医療機関に行くと、そこで感染を広げる恐れがある。厚労省は該当期間に沖縄を訪問した人で、はしかのような症状がある人は、まずは医療機関に電話で相談するよう呼びかけている。
 感染症に詳しい岡部信彦・川崎市健康安全研究所長は「訪日客が増える中、同じようなことは日本中どこでも起きうる。沖縄の例をひとごとと思わず、ワクチンの2回接種で自分の身を守り、他の人へ感染を広げないようにして欲しい」と話す。

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http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(水戸部六美)