■ 揺らぐ児童虐待の「SBS理論」2/21(木) 13:52配信

 虐待の疑いで逮捕、その後に不起訴となった母




MBSニュース









「揺さぶられっ子症候群」=通称SBS。頭を激しく揺さぶられることで脳に出血や腫れなどの症状が出ることが特徴です。この症状が子どもに見つかった場合、児童虐待が疑われます。しかし最近、SBSで児童虐待の罪を問われながら無罪となるケースが出てきていて、司法や医学の現場からもSBS理論への疑問の声があがり始めています。
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「つかまり立ちをしてて後ろ向きに転んだ」

大阪府守口市に住む菅家良弥さん(38)と夫の英昭さん(45)夫婦のひとり息子・たっくん(仮名・2)は今、乳児院に預けられています。

「あふれ出る愛情をもっと注いであげたいと毎日思います」(菅家良弥さん)

不妊治療の末、ようやくできた待望の子どもでした。親子3人の生活が一転したのはおととし8月、良弥さんとたっくん2人だけで家にいるときでした。

「ぱって見たら、(たっくんが)つかまり立ちをしてて、転ぶからやめてよって行こうとしたら後ろ向きに転んだんですね」(菅家良弥さん)

当時、厚さ約1センチのジョイントマットを床に敷いていました。生後7か月だったたっくんはソファーに手をつき、つかまり立ちをしていましたが、突然後ろ向きに頭から転倒。後頭部を打ち意識を失い、救急車で運ばれました。実はたっくんは2日前につかまり立ちを始めたばかりでした。手術で一命を取りとめ、たっくんの意識は2週間後に戻りました。
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虐待を疑われ… “根拠”は「SBS理論」

ところが、事態は思わぬ方向へ向かいます。事故から約2か月後、警察の家宅捜索を受け、任意での事情聴取が始まります。当時の状況をありのままに話しましたが、信じてもらえませんでした。

「(警察は)転んだだけではそんなんならへんねんって。話がかみ合わないんですよね。向こう(警察)は転んだだけじゃならないから虐待と。私は見ているから転んでそうなってしまっているって」(菅家良弥さん)

警察が虐待と疑った主な根拠とされるのが「SBS理論」です。特徴的な症状は3つあります。乳児を激しく揺さぶったときに血管が引きちぎられて脳内に血がたまる「硬膜下血腫」、網膜などの血管が破れる「眼底出血」、脳が腫れる「脳浮腫」。これらの症状が見られると、高い場所からの転落などがない限り虐待の可能性が高いとされるのがSBS理論です。たっくんには「硬膜下血腫」と「眼底出血」の症状があったことから、警察は虐待を疑ったのです。

「人にどう思われようと、事実を知っているのは私と息子なのでっていう気持ちでした」(菅家良弥さん