■ 風疹の最新情報

風疹流行に関する緊急情報:2018 年 12 月26日現在

国立感染症研究所 感染症疫学センター

2018 年第1〜51 週の風疹患者累積報告数は 2,806 人となり(図 1)、第 50週までの累積報告数 2,713 人から 93人増加した(図 2-1、2-2)。なお、第 51 週(12月 17 日〜12 月 23日)までに診断されていて も、12月 27 日以降に遅れて届出のあった報告は含まれないため、直近の報告数の解釈には注意が必要 である。2008 年の全数届出開始以降では、2018 年は 2013 年に次いで 2番目に多く、2017年 1年間(93 人)の 30 倍、2017 年第 1〜51週(91 人)の 31 倍の報告数となった(図 3)。2018 年第 1〜51週まで に先天性風疹症候群の報告はない。過去には2012年に2,386人、2013年に14,344人の患者が報告され、 この流行に関連した先天性風疹症候群が 45人確認された(図 3)。 「風しんに関する特定感染症予防指針(厚生労働省告示第百二十二号:平成 26 年 3 月 28 日)」では、 「早期に先天性風疹症候群の発生をなくすとともに、平成 32 年度までに風疹の排除を達成すること」を 目標としている。先天性風疹症候群の発生を防ぐためには、妊婦への感染を防止することが重要であり、
妊娠出産年齢の女性及び妊婦の周囲の者のうち感受性者を減少させる必要がある。また、現在の風疹の 感染拡大を防止するためには、30〜50 代の男性に蓄積した感受性者を早急に減少させる必要がある。こ のため、厚生労働省は 2019 年〜2021 年度末の約 3年間にかけて、これまで風疹の定期接種を受ける機 会がなかった昭和 37 年 4 月 2 日〜昭和 54 年 4 月 1 日生まれの男性(現在 39〜56 歳)を対象に、風疹 の抗体検査を前置した上で、定期接種を行うことを発表した。