■ HAとパンデミックインフルエンザ

パンデミックインフルエンザはなぜ恐ろしいのでしょうか
その理由の一つは、HAを活性化させるプロテアーゼという酵素は人の場合今の季節性インフルエンザはのどや気管支、胃腸に限られていますが、もしHAの形が変わり、胃腸以外のプロテアーゼでも活性化するようになる可能性があるからです

またHAがくっつくシアル酸にはいろいろな種類がありますが、鳥のインフルエンザのHAが人のシアル酸にくっつくように変化した場合、H5N1やH5N7といった病原性の高いインフルエンザウイルスが人に感染することができるようになります
このようなことが起こると、インフルエンザウィルスは肺を直接攻撃できるようになり、一気にウィルス性肺炎を起こす可能性があります。
普通のインフルエンザは咽頭炎や気管支炎から細菌性肺炎を起こしますので抗生物質による治療が重要となります
一方インフルエンザによるウィルス性肺炎は現在ある抗ウィルス剤が効果があるのかないのか分かっていません
また現在備蓄されているH5N1インフルエンザ用のワクチンも効果がどれぐらいあるのかはっきり分かっていません
致死率が50%から60%と言われる新型インフルエンザはこうした理由で恐れられているのです