■ WHOは2017年の世界の予防接種率を発表した

世界の小児ワクチンの接種率は停滞傾向にあり、近年大きな変化はみられていない。




DTPワクチン(3回)の接種率は85%で、123カ国では90%以上に達している。
麻しんワクチン(1回)の接種率 は85%で、同ワクチン(2回)は67%。2回接種を定期接種として実施しているのは167カ国である。
風しんワクチン(1回)の接種率は52%で、162カ国で導入されている。
ポリオワクチン(3回)の接種率は85%である。
B型肝炎ワクチン(3回)の接種率は84%で187カ国で導入され、WHO西太平洋地域では93%と高い。
Hibワクチン(3回)の接種率は72%で191カ国で導入され、WHO西太平洋地域の28%から同アメリカ地域の91%まで、地域格差が大きい。
肺炎球菌ワクチン(3回)の接種率は44%で、135カ国で導入されている。
妊産婦・新生児破傷風予防のための破傷風トキソイドは106カ国で導入され、新生児の85%が破傷風から守られている。


日本の小児の定期予防接種実施率は、概ね高い2)が課題もある
2016年のDPT-IPVワクチン(4回)の実施率は106.7% 。麻しんワクチン(1期)は97.2%、風しんワクチン(1期)は97.1%だが、2期はいずれも93.1%で目標値を下回っている。肺炎球菌ワクチン(4回) は103.3%である。



2017年5月に採択されたWHO決議では世界ワクチン接種行動計画(GVAP: Global Vaccine Action Plan)の目標達成に向け、WHOの194加盟国に対し、定期接種プログラムの強化やサーベイランス体制の向上のほか、乳児期以降にも予防接種サービスを拡大すること、予算の確保、国際連携強化なども要請している1)。