■ 米国小児科学会の推奨2018年10月10日

昨年は生ワクチンは推奨されませんでしたが今年は効果が期待されています
(日本にはありません)

米国小児科学会(AAP:American Academy of Pediatrics)は、2018/19シーズンのインフルエンザワクチン接種の推奨事項を発表

第一選択として不活化インフルエンザワクチンを推奨、選択肢の一つとして、弱毒生インフルエンザワクチンも接種可能とした

AAPは、『ワクチン接種は、インフルエンザを予防するための最善の手段』として、今シーズンの推奨事項を発表した。昨シーズンまでは、A/H1N1pdm09株に対する有効性の観点から、弱毒生インフルエンザワクチン(本邦未承認)の使用を推奨していなかったが、今シーズンは選択肢の一つとして接種可能としている。


AAPは「⼩児のインフルエンザの予防と対策:2018/19シーズン」で、昨シーズンの流行解析を次のようにまとめている。

2017/18シーズンは重症化傾向がみられ、インフルエンザ様疾患の外来受診や入院、小児の死亡例が多く、全米で流行が長期化した。小児のインフルエンザ関連死は179例(2018年8月18日時点)で、2009年のパンデミックを除き最多となった。死亡例のワクチン接種率は22%に過ぎなかった。

小児は、地域のなかでインフルエンザ罹患率がもっとも高く、流行拡大の中心となり、重症化して致死的状態に陥ることもある。学校や園で集団生活を送る小児は、成人に比べて疾病負荷が高く、2歳未満の幼児は入院や合併症リスクが高い。

米国の研究では、すべての小児におけるインフルエンザ関連死に対するワクチン有効率(VE: Vaccine Effectiveness)は、65%(95%CI: 54-74%)で、基礎疾患を有する小児では51%(95%CI: 31-67%)という報告(Flanneryら, Pediatrics. 2017)や、ワクチン接種がICU入室児の重症化・致死的リスクを4分の3減少させるという報告(Ferdinandsら, J Infect Dis. 2014)もある。