■ ジフテリア

医者になって35年、正直言って「ジフテリア」という病気は診たことがありません

ジフテリアは人間しか襲いませんのでワクチンで病気がコントロールしやすく、日本では1945年に8万6千人の患者と10%の死者を出していましたが1999年から一人もジフテリアの患者さんの報告はありません
日本ではとっくに過去の病気になってしまっています
ところが未だに4種混合ワクチンは接種されています
起こりもしない病気を防ぐワクチンはわざわざ接種する必要があるのかと誰でも思い始めます

しかしインドやインドネシアでは現在も流行していて、年間数千人の死者が出ています
これらの地域は日本の企業が最近多く進出していて多くの日本人も現地で生活するようになっています
ジフテリア菌を持っていても発症しない人(不顕性感染)が出入りすると免疫のない人に感染してしまいます
経済のグローバル化や観光などで人間の移動の数と量、速さが格段に大きくなっていますので流行の機会は以前より増していると考えていいでしょう
また最近はヒトジフテリアに似た牛犬猫のジフテリア菌の感染者が毎年出ていて、この菌もジフテリア様の毒素を出すことがわかっています(人獣共通感染症)

ジフテリアが怖いのは菌が喉に塊を作り窒息することやジフテリア菌が出すジフテリア毒素です
この毒素は心臓や神経の働きを止めてしまうことがあります
ジフテリア菌自体は、まだ初期に抗生剤によって叩くことができますが、いったん作り出された毒素は馬の血液から作った抗毒素を注射する血清療法をできるだけ早く行い毒素を中和しなければ命にかかわります
ジフテリアワクチンはジフテリア菌には効果がなく、この毒素にのみ効果があるワクチンです
(トキソイド)




ジフテリーは不死身なのです


http://www.medicos.jp/yumekuri/about/02_21.html


以下の事実がそれを証明しています



ジフテリアが海外で急増 緊急ワクチンキャンペーンを実施
2018年2月5日

中南米諸国やイエメン、バングラデシュでジフテリアが急増している。関係各国やWHO、UNICEFなどは、緊急ワクチンキャンペーンや治療薬の供給など感染拡大阻止の対応に追われている


ジフテリアの報告が海外で急増している。2017年の患者報告数は、ブラジルで42例(うち死亡1例)、ドミニカ共和国で3例(死亡0例)、ハイチで152例(死亡率10%)、ベネズエラでは609例(うち検査診断例198例)となっている(2016−2017年の死亡率は21%)2)(図)。イエメンでは、4カ月余りの間に333例(うち死亡35例)が報告された3)。バングラデシュでは、わずか1カ月余りで804例(うち死亡15例)が報告されており(図)、これはミャンマーからのロヒンギャ族難民が暮らすCox’s bazarで発生し、感染は急速に拡大している4)。各国とも患者の多くは、小児やワクチン未接種者が占めている。関係各国・WHO・UNICEFなどは、感染拡大を阻止するために協力して、緊急ワクチンキャンペーンや治療薬の供給、サーベイランス強化などの対応に追われている2-4)。わが国でも、感染症専門医をバングラデシュに派遣し国際協力を行っている5)。


また、旧ソビエト連邦が崩壊したときも1990年〜1995年に大流行し、患者数15万人、死者4000人に上ったためワクチンの接種を強化し1997年には元の状態に戻りました