■ ワクチンの副反応

ワクチンの副反応

ふつう副反応、副作用とも投与されたワクチンや薬物との因果関係が明らかなことが必要です
しかしワクチンの副反応の報告制度では、接種後にある期間内にある決められた症状(重大な副反応として扱われます)が発生した時には、原因にかかわらずすべて報告する義務があります。
本来ならば、明らかにワクチンと関係があるものだけを副反応とすべきですが、因果関係を明らかにすることができない場合があるのでとりあえずワクチンの接種後に変わったことが起こったら副反応として報告されています。
これらは本来「有害事象」と呼ばれるものですが、現在では「副反応」として分類されてしまっています。有害事象という言葉は普通の人には難しい専門用語であり、初めから悪いような響きがあるのでとりあえず副反応と呼んでしまおう、というのが実情です
本当は「原因を問わない副反応」というべきですが、適切な言葉が見当たらないのでまとめて「副反応」のままにしてされています
ですから副反応の頻度を述べるときにこのことを考慮に入れないと「ワクチンにはこんなに有害な副反応が多い」ということになってしまいます
このことがワクチンをめぐる副反応の話を難しくしている原因の一つです。


たとえば麻疹風疹ワクチンの例をあげてみましょう

必ず報告する義務がある重大な症状として
1. アナフィラキシー(4時間まで)
2. 急性散在性脳脊髄炎(ADEM)(28日まで)
3. 脳炎・脳症 (28日まで)
4. けいれん(21日まで)
5. 血小板減少性紫斑病(28日まで)
6. その他の反応(ワクチンが関係していると考えられる重篤な症状)

1〜5までの重大な副反応と呼ばれる症状の中には、ワクチンが原因でないものが含まれていて、それがどのくらいの割合で発生するのかが問題になります
ワクチンを接種後28日間に病気にかかって熱性けいれんを起こしても報告義務があります
血小板減少性紫斑病もワクチンと関係なく子どもの病気としては時々見られるものです
また食物アレルギーの子がワクチンの接種後に食べた食品でアナフィラキシーを起こしてもやはり報告義務があります
これらの報告が本当にワクチンと関係があるのかないのかを結論付けるには、ワクチンを接種しない人たちと比較するなどというとても時間と労力がかかる統計学的な検討がなされることが必要です
厚労省では「ワクチン部会」という部署で報告された症状を検討する会合が定期的に開かれ検討が重ねられています

厚労省
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou20/hukuhannou_houkoku/

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