■ ワクチンの歴史

ワクチンの歴史

ワクチンの歴史は、天然痘を予防するためにイギリスの医師ジェンナーが1796年に開発した種痘から始まります

天然痘は有史以前から人類を苦しめてきていた病気で、その原因となる天然痘ウイルスはとても感染力が強く、空気や皮膚を通じて体内に潜り込み、あっという間に全身に広がり、致死率は30%〜50%といわれ、命が助かっても顔を中心とした皮膚に瘢痕(あばた)を残します
ジェンナーは牛の乳搾りの人たちが天然痘にかかりにくいことに気づき、牛痘(牛の天然痘ウイルスが起こす病気)に罹った牛の成分をヒトの皮膚の中に入れる「種痘」(天然痘を植え付ける)考案した話は有名です
「あらかじめある弱い感染症にかかっていれば、その後は同じような感染症にかかりにくくなる」というワクチンの原理を証明した画期的な業績です
この業績に敬意を表してフランスの免疫学の父と呼ばれるパスツールは人工的に弱い感染症を予防する材料を「ワクチン」(vaccineのvacaは雌牛)と名付けたといわれています
この後医学界に「免疫学」という分野が誕生し、現在の最先端の医療の一つとなっていることは当時誰も想像できなかったでしょう。
もちろんそんなに平坦な道のりではありませんでしたが。