■ 予防接種の影  百日咳ワクチン


1940年代に国内で年間10万人以上が百日咳に罹患し,その10%が死亡していました。
1968年にDPTワクチン(ジフテリア+百日咳+破傷風)が定期接種として導入後,患者数は激減しました。しかし,1975年にワクチン接種後に2人が亡くなったため,DPTワクチンの接種は中止されました。
3か月後に再開されたものの,接種率は大幅に低下し,1979年には年間1万3000人の患者と40人以上の死者が報告される結果となりました。
それまで使われていたのは、百日咳菌をそのまま不活化する全菌ワクチンでしたので、百日咳菌の一部のみを利用した現在の無細胞性DPTワクチン(DTaP)が開発されました
1981年にDTaPの接種が開始されると1988年ごろには以前の500人前後の発症数にもどりました