■ ハシカーン騒動2016 9 14

今回の麻疹や数年前の風疹の流行の時の一般の人々の反応を直接肌で感じて思うことは、世の中のかなりの数の人たちは病気そのものを理解できていないということです
「麻疹って風疹とどうのように違うの?」「細菌が引き起こすの?」「薬を飲めばなおるんでしょう?」はまだ普通のレベル。専門の人間からすれば冗談でしょう、と思われるほど麻疹や風疹などの感染症に対する知識を持っていません。
しかしこれは当たり前といえば当たり前のことです。
逆に音楽などの芸術、料理、科学、政治、経済などなどの専門分野の人々から見て一般の医者がどれだけそれぞれの分野を理解できているかはなはだ疑問に映るに違いありません。ちょっと専門分野が外れると普通のおじさんおばさんになることは珍しくありませんから。
このようなギャップを埋めようとすることが啓発運動なのですが、こと感染症に関しては十分効果的になされていないように思えます
大げさに聞こえるかもしれませんが、感染症にいかに取り組むかということは国を守る、人類を守ることと直結した緊急の課題です
人類の歴史で死亡原因の最大のものは戦争や飢餓、自然災害ではなく感染症です

今回の麻疹の流行の機会に少しでも感染症に対する理解がすすむことが望まれます