■ ワクチンと炎症



予防接種の後に腕や足が赤く腫れたり、熱が出たりして心配になることがあります
これは体に「炎症」が起きているためです
人間の体は病原菌やウイルスなどの異物が入るとそれを追い出そうとする「免疫反応」がはたらきます。予防接種はこの「免疫反応」を利用して、あらかじめ異物であるワクチンを注射することによって病気にかからないようにしています
しかしこの「免疫反応」は強く出る人もあればあまり出ない人もあります
「炎症」が起きていることは「免疫反応」がちゃんとはたらいている証拠ですが、反応が強いと腫れや痛みがひどかったり熱が出たりして辛いこともあります(副反応)

炎症の4つの特徴:赤く、熱く、腫れて、痛い

人間の体のすみずみまで毛細血管という細い血管が張り巡らされていて血液が流れています
赤くなる 、熱くなる
何らかの刺激が加わると、その場所の細胞(おもに肥満細胞)からいろいろな化学物質が出るために毛細血管が広がり血液の流れが多くなります
すると赤く見えて温度もあがります

腫れて、痛い
血管がひろがると、血管のつなぎ目がゆるんで血液の中の水分や血球などの成分が隙間から漏れ出てきます
漏れ出た水分でその場所がむくんで腫れてきます
また神経が水分で圧迫されたり、いろいろな化学物質で刺激されたりして痛みを起こします