■ テタヌス |
テタヌスは破傷風菌族を率いるバクテリア軍団の司令官です 世界中の人間の周りのどこの土の中にいつでもいて、襲いかかる機会を狙っています テタヌスは酸素がないと生きられませんが、「ガホー」という特殊な形に変身するといかなる環境にも耐えられることができます 「ガホー」はボツリヌスやタンソー(炭疽菌)、身近な菌では納豆菌にも備わる特殊な構造物です ガホーのテタヌスが人間の傷口から侵入すると、殻を破り「発芽」して眠りから覚めます 最大の武器はテタノスパスミンと呼ばれる強力な神経毒素で、その毒力は史上最強の毒素と言われるボツリヌス毒素に次ぐものです 両者とも神経を麻痺させますが、そのしくみは異なっています テタノスパスミンは末梢神経に取り込まれた後、神経に沿って体の中央へ登ってゆきますそして運動神経をコントロールしている脊髄や脳の中枢神経の中に潜り込み、神経の信号を止めてしまいます。主に運動を抑える系統が傷害されますので全身の筋肉が収縮して硬くなってしまいます。テタノスパスミンに一旦破壊されると回復の見込みは極めて絶望的です このおそろしい毒素を発見し、テタヌスの攻撃から守る破傷風ワクチンを作り出したのは日本が誇る医学者北里柴三郎です 対策 アンティバオイティックビーム ガホーに効く抗生物質はありません ガホーから目覚めたテタヌスを増やさないように使われます TIG(破傷風免疫グロブリン)ビーム テタヌスに対して免疫を持つ人の血液のコータイ弾を集めたTIGブームをできるだけ早く使いテタノスパミンを中和します 破傷風ワクチンを以前受けていても、10年以上経つとテタヌスに対するコータイビームのコータイ弾が失われてしまいます トキソイドビーム テタヌスに対するコータイビームのコータイ弾を作らせるために使われるワクチンです もっとも大切なのはあらかじめ三種混合、四種混合ワクチン、破傷風トキソイドワクチンなどのワクチンを接種しておいていつでもコータイビームが使えるようにしておくことです しかしこれらも10年以上たつとコータイ弾がなくなってきますので、大人はとくに気をつけなくてはなりません 事実今でも毎年100人位の方がテタヌスの餌食になって命を落としています |