■ 敵を知ろう  ケッカー  2

ケッカーの凶暴性はどこから来るのでしょう
第一は、空気感染、つまり患者の咳とともに四方八方に空を飛び、ほかの人間の口や鼻から肺の中に入り込むことができます。おまけにケッカーは体中をムコール酸という厚い膜で覆っていますので、ふつうの消毒薬ではやっつけることができません。

第二に、ケッカーは人間の肺の中に入ったとき、ヨボーレンジャーたちが撃ちだすマクロファージビームのマクロファージャーにやられるどころかマクロファージャーの中に入り込んで攻撃をかわし、しかもマクロファージャーの中で生き続けることができるのです。

第三に、BCGはケッカー用のワクチンとして有名ですが、実はケッカーの攻撃を十分に防ぐことができません。BCGは小さい子どもをケッカーから守りますが、大人にはあまり効果がないことがわかっています。その理由は、ケッカーは、大人の場合は肺からゆっくり攻撃しますが、子供たちを攻撃する時は直接血液の中に入り込んで一気に広がり粟粒結核や髄膜炎という病気を起こします。ですからマクロファージャーの力が弱い子どもたちにはBCGでなるべく早くマクロファージャーの力をつけておくことが必要です

第四に最近のケッカーはヨボーレンジャーのアンティバイオティックビームがききにくい多剤耐性ケッカーに変身してきていることです
ふつうのケッカーは、りファンピシンとイソニアシドという2剤でやっつけることができますが、中には歯が立たないケッカーが出現してきていることが大きな問題になっています。多剤耐性結核菌というとても厄介なケッカーたちです