■ ウイルス軍団とバクテリア軍団の共謀 |
いわゆる「カゼ」は200とも300とも言われる種類のウイルスによって引き起こされます。 風邪ウイルス軍団にはいまのところ直接効果がある薬はありません。 したがって「カゼ軍団」に抗生物質アンチバイオチックビームは直接効きません しかし高熱が出て「カゼ」と診断されて抗生物質が処方されることは日本ではよくあることです。抗生物質の乱用は耐性菌の増加につながると言われながらなぜ依然としてのような状況が続いているのでしょうか その最大の理由はウイルス軍団とバクテリア軍団の共謀にあります。 人間には「自然抵抗性」という外部からの侵入者を防ぐ城壁がいろいろあります。 その中でももっとも侵入の機会が多い気道、つまり鼻、のど、気管、気管支を例に取ってみると人はとても巧妙に外部からの侵入者を防いでいます その中心は粘液繊毛輸送系と気道粘膜免疫系です。 この堅牢な城壁がまずウイルス軍団の攻撃で破壊されます。しかし破壊されながらも修復し、粘液に包んで侵入者を体の外に追い出します。この力関係の中で壊された城壁の穴を狙ってバクテリア軍団が侵入を開始します そして一気に城壁の中で勢力を拡大します。 抗生物質の処方はこれを阻止する目的で行われます ウイルスの攻撃だからアンティアイオティックビームは無用、と言い切れない現実がそこにあります 医者が悩みに悩む部分でもあります |