抗ヘルペス剤 

★ゾビラックス

アシクロビルという成分がヘルペスウイルスの増殖を止めます。 この薬は世界初のウイルスに効果のある抗ウイルス薬として有名です。 体内に入ったアシクロビルは、ヘルペスが感染している細胞の中でチアミンキナーゼという酵素によってリン酸化されアシクロビル三リン酸という形になります。 一方、ウイルスが増えるにはウイルスの遺伝子が詰まったウイルスのDNAが複製されなければなりません。 その場合本来はデオキシグアニン三リン酸という物質が利用されてDNAが複製されますが、アシクロビル三リン酸はデオキシグアニン三リン酸ととても構造が似ているため、誤ってこれを取り込んでしまい、その結果ウイルスのDNAの複製が出来なくなりウイルスの増殖が止まります。 なお人間の細胞はもっと精巧にはたらきますので、アシクロビル三リン酸をDNAに誤って取り込むことは起こりません。 また、人間の正常な細胞ではアシクロビルのリン酸化が起こらないので大きな影響がありません。

★バルトレックス

この薬はゾビラックスに少し変化を加えた薬です。 アシクロビルは肝臓で分解されやすい成分なので、アシクロビルに少し変化を加えることによって肝臓で分解されてからアシクロビルになって効果を発揮できるように工夫されています。(プロドラッグといいます)
そうすることによってゾビラックスよりも薬を飲む量や回数を減らすことができるようになります。