授乳とくすり

お母さんがのむほとんどの薬は母乳に入りますが、その量はほんのわずかです。ですから、母乳をとおして赤ちゃんに害がでる可能性は低いと考えられています。もし、影響があったとしても、たいていは一時的な軽い症状で済みます。
断乳が絶対に必要となるのは、母乳にたくさん入る薬で、赤ちゃんに重い副作用を起こすおそれのある薬です。たとえば、 抗がん剤免疫抑制薬放射性医薬品などがあげられます。かぜ薬などふつうの病気に処方される薬でしたら、授乳中であってもそれほど心配はありません。
薬そのものの危険度のほか、授乳時期にも注意が必要です。とくに、生後1〜2カ月くらいまでは、まだ肝臓や腎臓の働きが十分でなく、薬をからだの外に出すことができないので、母乳中の薬が赤ちゃんの体内にたまり、思わぬ症状を起こすことがあります。
断乳を必要とするのは一部の薬といっても、必要のない薬は飲まないに越したことはありません。

授乳中は、市販薬も含めて必ず医師や薬剤師の指導のもとで使用してください。

授乳を続けてよい場合でも、赤ちゃんの様子をよく観察することは大切です。母乳を飲まなくなったり、うとうと状態が続く、変にぐずる、いらいら、下痢、発疹など普段にない症状がみられたら、早めに医師に相談するようにしましょう。