■ ギアノッチ症候群 |
小児皮膚科学会 https://www.dermatol.or.jp/qa/qa40/q16.html ジアノッティ病・ジアノッティ症候群 乳幼児の上下肢、臀部と顔に発疹ができるもので、B型肝炎ウイルスの感染によって起こります。1955年Gianotti という人が初めて記載しました。小児丘疹状肢端皮膚炎ともいわれていました。 従来、B型肝炎による発症をジアノッティ病と呼び、EBウイルスなどB型肝炎以外のウイルスによる発症をジアノッティ・クロスティ(Gianottli-Crosti)症候群というようになっています。 原因 EBウイルス、サイトメガロウイルス(CMV)が多いといわれています。他のウイルスなども原因と考えられています。従来のジアノッティ病ではB型肝炎ウイルスが主に考えられています。この場合血液中にHB抗原が陽性になります。多くはその初感染によって起こります。 症状 生後6ヶ月〜5歳の小児に好発します。上肢や下肢、顔、臀部に赤いとがった3〜4mmの大きさの発疹が出現します。5〜10mmと大きいものもあります。四肢伸則と両頬部に多く、通常は胸腹背部には皮疹はでません。掻爬痕(掻いたあと)に一致して皮疹が出現するKobner現象が見られます。発疹は離れていますが、時にくっつき合うこともあります。かゆみは様々です。手や足の甲から発疹がでてくることが多く、下肢に始まることが多いです。そして上の方に広がって行き、左右対称性に広がっていきます。頚部リンパ腺がはれてくることがあります。 小水疱や紫斑を伴うことがあります。 肝臓や脾臓がはれることがありますが、黄疸など典型的な肝炎の症状はあまりでてきません。 診断 臨床的に症状から診断します。肝機能検査を行います。 治療 発疹は1ヶ月くらいで跡形なく消えていきます。 肝炎を起こしている場合は肝炎の治療と同じです。安静と食事療法で自然に治癒していきます。 将来のこと それほど悪くはありません。慢性肝炎に移行することがあります。 予防 特にしませんが、HBワクチンの接種は可能です。 |