■ 小児のワクチン筋肉接種で学会見解 |
日本小児科学会委員会、機会増加受け標準的接種法を紹介 日本小児科学会2015年5月28日(木)配信 小児科疾患感染症投薬に関わる問題 日本小児科学会の予防接種・感染症対策委員会はこのほど、小児のワクチン筋肉内接種法に対する見解を示した。日本でのワクチン接種は一部を除き原則皮下接種だが、海外で筋肉内接種を標準とするワクチンの国内導入が予想されることから、実践に向けた情報提供に踏み切った。筋肉内接種の標準的な方法を示しているほか、現時点で小児への筋肉内接種が可能なワクチンを一覧にして紹介している。 同委員会によると、日本の小児に対するワクチン筋肉内接種を巡っては、1970年代に解熱剤や抗菌薬の筋肉内接種を受けた小児3000人以上に大腿四頭筋拘縮が見られたことを機に、避けられるようになった。ただし、これら筋肉拘縮症の報告ではワクチン接種との関連に言及はなかった。一方の海外では、生ワクチンを除く多くのワクチンが、局所反応の少なさや免疫原性が皮下接種以上であることから原則として筋肉内接種で行われている。 同委員会では、国内でも筋肉内接種を標準接種法とするワクチンの導入が進むことをにらみ、小児へのワクチン筋肉内接種に関する見解を公表した。2015年5月18日時点で承認済みの筋肉内接種が可能な7種のワクチンを一覧にしてまとめたほか、図解付きで1歳未満や1歳以上2歳未満、2歳以上と年齢別の標準的な接種部位や針の選択方法などを紹介。同時接種の場合は異なる解剖学的部位への接種が望まれるとし、難しい場合は2.5cm以上離して接種するなど注意事項も掲載している。 【筋肉内接種の接種方法(標準的な接種部位)】 1歳未満 大腿前外側部に接種する。接種する筋肉は外側広筋で、中央 1/3 がその接種部位である。 1 歳以上、2 歳未満 1 歳未満児と同様、大腿前外側部または、上腕三角筋中央部に接種する。 2 歳以上 上腕三角筋中央部に接種する。 関連リンク 小児に対するワクチンの筋肉内接種法について |