■ 酸化マグネシウム |
重質と軽質の違いは?第10改正日本薬局方までは、「酸化マグネシウム」と「重質酸化マグネシウム」の2品目が収載されていました。前者が、軽質品に相当し、5.0gの容積が30mL以上を「軽質品」、30mL以下を「重質品」と規定していました。しかし、第11改正日本薬局方からは、「酸化マグネシウム」に一本化され、5.0gの容積が30mL以下のものに関しては、別名として「重質酸化マグネシウム」として表示することできます。なお、効能効果、用法用量は変わりません。 経管投与できますか? 治療 小児薬用量は?●緩下剤として使用する場合(1日量) 新生児 6ヶ月 1歳 3歳 7歳半 12歳 成人 100mg 400mg 500mg 650mg 1g 1.3g 2g ●制酸剤として使用する場合(1日量) 新生児 6ヶ月 1歳 3歳 7歳半 12歳 成人 ― ― 150mg 200mg 300mg 400mg 0.5〜1g 薬効薬理 作用機序は? 【制酸作用】 アルカリ性である酸化マグネシウム(MgO)は、胃酸(HCl)を中和することにより制酸作用を示します。MgO+2HCl→MgCl2+H2O 【緩下作用】 酸化マグネシウムは胃酸と反応して塩化マグネシウム(MgCl2)となった後、腸内において難吸収性の重炭酸塩(Mg(HCO3)2)又は炭酸塩(MgCO3)となり、浸透圧維持のため腸管から水分を奪い、腸管内容物を軟化させることにより緩下作用を示します。 【尿路蓚酸カルシウム結石の発生予防】 マグネシウムは腸内において蓚酸と結合することにより、腸からの蓚酸の吸収を阻害し尿中への排泄を抑制します。また尿中においては蓚酸と可溶性の複合体を形成します。これらより尿中蓚酸イオンは減少し、蓚酸カルシウム結石の形成を抑制します。 |