■ てんかん突然死、7割がうつぶせ寝【米国神経学会】 |
40歳未満のリスク高く、仰向け寝を推奨 2015年2月5日 米国学会短信 カテゴリ: 小児科疾患・神経内科疾患・脳神経外科疾患 米国神経学会(AAN)は1月21日、てんかん患者のうつぶせ寝は、乳幼児突然死症候群(SIDS)に並び、予期せぬ突然死のリスクが高いとする研究を紹介した。Neurology誌オンライン版(1月21日号)に掲載。 てんかんは世界で推定5000万人が罹患している脳障害で、発作を繰り返す。予期せぬ突然死は、コントロール不良てんかんの主要な死因で、就寝中、誰も気づかないうちに発生する。脳全体が発作を起こす強直間代発作(大発作)は、部分発作(脳の一定部位に限局)よりも突然死の可能性が高いと言われている。 25の研究をレビューした本研究によれば、253件の予期せぬ突然死のうち、73%がうつぶせ寝の体勢で死亡していた。サブグループの88人では、40歳未満の86%、40歳以上の60%がうつぶせ寝で死亡しており、40歳未満のリスクは4倍高かった。ビデオ脳波モニター(EEG)の間にも11件の突然死が発生したが、全例が腹臥位で死亡しており、死亡前の発作時も大半がうつぶせで寝ていた。 若い人にリスクが高い理由は明らかではないが、独身で、一人で就寝することが関係しているのかもしれないと研究者は分析。併せて、「全身性強直間代発作を起こす患者と一緒に寝る人は、うつぶせ寝に気づいたら発作中や発作後に仰臥位や側臥位に姿勢を変えて欲しい」と注意を促している。また、今回の結果から、「仰向け寝」による予防の可能性があることから、「リストウォッチやベッドアラームを使って、就寝中のてんかんを検出することも予防に有効かもしれない」と指摘している。 【関連リンク】 Sleeping on Stomach May Increase Risk of Sudden Death in Epilepsy |