■ アトピー性皮膚炎の指針改訂【米国皮膚科学会】2015.1.1






アトピー性皮膚炎に長期管理を推奨
2014年10月7日 米国学会短信 カテゴリ: 小児科疾患・皮膚疾患・投薬に関わる問題
 米国皮膚科学会(AAD)は9月26日、成人と小児のアトピー性皮膚炎の管理のためのケアに関するガイドラインの改定版を公表した。症状管理やアレルギー性の併存疾患、薬物療法の代替的アプローチに焦点を置いたももので、4部シリーズの最終部としてJournal of the American Academy of Dermatologyに掲載。

 ガイドラインでは、発赤の再燃を予防し、疾患に関連する症状を管理して合併症を最小限に抑えるために、頻繁に再発を繰り返す部位へのプロアクティブ療法を用いた長期疾患管理を推奨。また、プロアクティブ療法に加えて、保湿療法も再燃防止に不可欠だと言及している。

 食物アレルギーについては、アトピー性皮膚炎への食物暴露の影響は不明なままと説明。アレルギーテスト陽性の結果を、アトピー性皮膚炎との関連付けを行うことは困難として、アトピー性皮膚炎の管理のための食品除去食は推奨していない。また、アトピー性皮膚炎患者はアレルギー性接触性皮膚炎(ACD)の発症率が高いため、パッチテストを実施し、視覚的にアトピー性皮膚炎と鑑別しにくいACDを診断するべきとを強調している 。

 なお、東洋医学(漢方)、サプリメント、民間療法(マッサージなど)といった代替的または相補的アプローチの有効性を示すだけのエビデンスに基づく研究は、十分になされていないと明記している。