■ ヒトパピローマウイルス(HPV)に対する9価ワクチン | 2014.12.18 |
2014年10月14日 米国学会短信 カテゴリ: 小児科疾患・産婦人科疾患・癌 米国癌学会(AACR)は10月1日、ヒトパピローマウイルス(HPV)に対する9価ワクチンにより約9割子宮頸部癌を予防できる可能性を示した研究を紹介した。Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention誌に掲載。 この研究は、4価HPVワクチンに対する治験3件でプラセボ群に登録された女性1万2514人(15-45歳)のデータを分析したもの。被験者のうち2507人が、子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)1-3または上皮内腺癌(AIS)と診断された。これらの前癌病変について、米国食品医薬品局が現在審査中の9価HPVワクチンが対象とするHPVサブタイプを有する病変の数を推定した。 単独病変に存在する複数のHPVサブタイプについて補正すると、9価ワクチンに含まれる高リスクサブタイプのうち7種が認められたのはCIN1の約55%、CIN2の約78%、CIN3の約91%、AISのほぼ100%。前癌病変のある女性のうち、単独HPVに罹患していたのは15-26歳で54%、24-45歳で59%、1種以上のサブタイプに感染していたのは15-26歳で32%、24-45歳で19%だった。 研究者は「子宮頸部前癌病変の85%以上が、9種のサブタイプ(6、11、16、18、31、33、45、52、58)によって起きる。9価ワクチンを適切に使用すれば、世界中の浸潤性子宮頸癌の約90%と前癌病変の大部分が予防できるだろう」と述べている。 |