■ ワクチンガイドラインの改訂第2版を2014.10.14

 日本環境感染学会は10月2日、ワクチンガイドラインの改訂第2版を公表した。麻疹や風疹、流行性耳下腺炎、水痘ワクチンの説明では、前回指針で3年ごとに抗体測定するとの誤解を招きやすい記述があったため、抗体価の読み方に関する表を改訂した。B型肝炎ワクチンでは、欧米で接種者に抗体価の低下を認めても追加接種が不要とされていることなどを紹介している。

 同指針は、大きく「B型肝炎ワクチン」と「麻疹、風疹、流行性耳下腺炎、水痘ワクチン」、「インフルエンザワクチン」の3項目に分かれている。B型肝炎ワクチンの項では、抗体を獲得すればHBV陽性血に暴露しても急性B型肝炎の発症はないとする報告や、免疫獲得者は長期にわたり発症予防効果が認められ、欧米では抗体価が経年で低下しても効果が持続するため追加接種は不要とする勧告があることなどに触れている。

 麻疹、風疹、流行性耳下腺炎、水痘ワクチンの項では、ワクチンで免疫を獲得する際の接種回数は1歳以上で「2回」を原則とするよう改めて強調し、フローチャートのスタート時にそのことを尋ねるようにしている。インフルエンザワクチンの妊婦への接種は、接種による利益がインフルエンザ感染のリスクを上回るため推奨されるが、14週までの妊娠初期に関しては元々流産の起こりやすい時期であることから、被接種者の十分な認識を得た上で行うよう明記している。

 指針の名称は、院内感染対策を前面に打ち出した第1版と異なり、対象が医療関係者であることを強調するため「医療関係者のためのワクチンガイドライン」に変更。ここでの医療関係者とは、事務職や医療職、学生、ボランティア、委託業者を含めて受診患者と接触する常勤、非常勤、派遣、アルバイト、実習生、教官など全てを含んでいる。

【関連リンク】
医療関係者のためのワクチンガイドライン 第2版http://www.kankyokansen.org/modules/publication/index.php?content_id=17