インフルエンザ 

  ★インフルエンザとインフルエンザワクチン

インフルエンザとは?

ふつうのかぜより症状が重く、いわばカゼの親分です。非常に感染しやすくて毎年冬になると流行をくりかえします。  インフルエンザにかかると、抵抗力の弱い老人や小さい赤ちゃんは重症になりやすく、命を落とすこともあります。  インフルエンザには、大きく分けてA型B型C型の3つがありますが、ひろく流行するのはA型とB型です。

●不活化ワクチン

不活化ワクチンは死んだ病原体の一部からつくったものです。生きていないため体の中で増えないので、何回か接種することによって体に記憶させて病気に対する抵抗力(免疫)をつけます。

●ワクチンの効果

インフルエンザウイルスは毎年少しずつ形を変えるため、その年毎に流行を予測してワクチンをつくります。  今ではほぼ確実に流行を予測できるようになっています。 しかし、ワクチンをうっていてもインフルエンザにかかるのを完全に防ぐことはできません。 その理由の1つは、ワクチンの効果が1人1人違うことです。もともとワクチンは人の免疫反応(人が病気を防ぐため生れつき持っている力)を利用していますので、ワクチンを受けた人が全員抵抗力がつくとはかぎりません。これはすべてのワクチンに共通していえることです。 ワクチンをうっていてもインフルエンザにかかるのを完全に防ぐことはできないもう1つの理由は、今のインフルエンザワクチンは、インフルエンザが喉で増えるのを十分に抑えることができないからです。ですから、ワクチンを受けていても、インフルエンザにかかって、熱や咳が出ることはあります。しかし、ウイルスが全身にひろがることを防ぐことができるので、重症にはなりません。

●標準の接種年齢と回数

1才以上で1〜4週間あけて2回うちます(できたら4週間ちかく)うった後、約2週間え効果があらわれます。 次に別のワクチンを接種するまで期間1週間あけてください。

●副作用

注射をうったあとが、はれたり、赤くなったりすることがあります。

●注意事項

卵アレルギーが強い人は、アレルギー症状がでることがありますので、注射をうつ前に先生とよく相談してください。

★インフルエンザ迅速検査

インフルエンザにかかっているかどうかを、短い時間で調べる方法です。 この検査は、のどや鼻の奥を綿棒でこすり、それに薬を加えてインフルエンザの有無を調べます。
約10分〜15分で、のどでインフルエンザウイルスが十分増えているか(陽性)いないか(陰性)また、A型かB型かがわかります。
ところが、この検査法にも問題点があります。 それは、インフルエンザにかかっている人がすべてこの検査法で陽性になるとは限らないことです。 というのは、のどにあるていど以上のインフルエンザウイルスが増えていないと、検査が陽性にならないからです。これは、まだインフルエンザにかかり始めの場合や、ワクチンの効果が出ている場合が考えられます。 ですから、この検査法で異常がない(陰性)といわれても、インフルエンザを思わせる症状があったり、家族や周りの人の中にインフルエンザにかかっている人がいたりする時は、インフルエンザと診断されることがあります。 また、症状が強くなった2日目に再検査をすると陽性にでることもありますので、この検査を2回する必要な人もあるでしょう。 もしこの検査で陽性になって、症状がでてから48時間以内でしたら、インフルエンザウイルスに直接効果がある薬が処方されることがあります。

   ★インフルエンザとくすり

毎年冬になると必ずやってくるインフルエンザ。
このインフルエンザに対抗してゆくために病院でできることは今までは予防接種しかありませんでした。
ところが数年前から、インフルエンザウイルスに直接はたらいて、インフルエンザの威力を衰えさせる薬が使えるようになりました。
このような薬には次のような種類があります。

(1) シンメトレル・・・ もともと精神科で使われている薬ですが、インフルエンザにも効果があるかとがわかり、使われるようになりました。
問題は、
1) 子供には副作用が心配
2) インフルエンザのA型にしか効かない
3) 使っていると、インフルエンザが薬に対して強くなり、 薬が効かなくなることがある
(2) リレンザ・・・吸入の薬のため、うまく吸えないことがある。
(3) タミフル・・・のみ薬で副作用も少ない。値段が高い。


因果関係明らかな例なし タミフル服用後死亡で学会

インフルエンザ治療薬タミフルを服用した日本の子供12人が死亡したと米食品医薬品局(FDA)が発表した問題で、日本小児科学会(衛藤義勝会長)は30日、「現時点でタミフルと死亡の因果関係が明らかなものはなかった」とする見解を公表した。
 一方で、タミフル使用については「従来通り投与の適応や症状の経過観察などへの注意が必要」とした。
 同学会で資料を検討した結果、死亡例の症状は

  1.  タミフルを服用していないインフルエンザ患者でも見られる
  2.  インフルエンザにより基礎疾患が悪化して起こったとも考えられる
  3.  医学的資料が不十分で検討できない

−などだった。  このため因果関係が明らかな例はないと判断、「あらためて注意喚起などを行う状況ではないと考える」としている。
(共同通信) - 12月1日1時1分更新  

<タミフル>服用後「経過観察が必要」 日本小児科学会

インフルエンザ治療薬のリン酸オセルタミビル(タミフル)の服用後、日本の小児12人が死亡していたと米国食品医薬品局(FDA)が発表した問題で日本小児科学会(衛藤義勝会長)は30日、「現時点でタミフルと死亡についての因果関係が明らかなものはない」との見解を学会のホームページで公表した。一方で、タミフルについての調査継続と結果の適切な公表が必要だと訴え、「従来通り(タミフル)投与の適応や経過観察への注意が必要」と呼びかけた。
 タミフルでは、服用後に14歳の少年がマンション9階から転落死した例や17歳の少年がトラックに飛び込み死亡した例が日本小児感染症学会で報告され、服用後の異常行動が問題となっていた。
 小児科学会は、17歳の例について年齢的に小児ではないとし、検討対象外とした。死亡例以外の検討はしなかった。
 FDAは死亡例以外も検討し、服用後に自宅の窓から飛び降りた少年ら3人の異常行動を「最も警戒を要する神経症状」と位置づけていた。
 同学会予防接種・感染症対策委員会の岡部信彦委員長は「国も製薬会社も、FDAにデータを出すなら、学会にも早く出してほしかった。医師は、薬の使用は一般にリスク(危険性)を伴うことを念頭に置いて、タミフルを使ってほしい」と話している

   ★抗インフルエンザ薬

 
薬品名 リン酸オセルタミビル
薬の働き A型及びB型インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼ(ウイルスが増えるのに必要なもの)という部分の働きを抑えることによって、新しくインフルエンザウイルスが増えるのを防ぎます。
すでに増えたインフルエンザウイルスを減らすことはできません。
したがって、インフルエンザにかかって48時間以内に薬を飲まないと、薬の効果は期待できません。
副作用 吐き気、腹痛、下痢などがまれにあります。

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   ★インフルエンザQ&A 「国立感染症研究所 感染症情報センター」さまHPより