MRワクチン(麻疹風疹混合ワクチン)に関するQ&AMRワクチン(麻疹風疹混合ワクチン)に関する

Q: 予防する病気は?

A: 麻疹および風疹

麻疹(はしか) ; 非常に感染力が強く、かかると重くなる病気です。
発熱、咳、鼻水など、カゼのような症状で始まります。38度前後の熱が続いた後、一時下がりますが、再び高い熱が出るとともに、発疹が全身にでてきます。その後、3〜4日高熱が続き、咳もひどくなります。中耳炎、肺炎、脳炎などの合併症を起こしやすく、なかには命を落とす場合もあります。

風疹(三日ばしか) ; 軽いカゼ症状ではじまり、発熱と発疹、リンパ節のはれがあらわれます。子どもは軽い症状ですみますが、大きくなってかかると、重症になることがあります。とくに妊娠初期の女性がこの病気にかかると、先天性風疹症候群とよばれる赤ちゃんが生まれる可能性が高くなるため、注意が必要です。
 

Q: ワクチンの種類は?

A: 生ワクチン
 

Q: MRワクチンの成分は?

A: 1回のMRワクチンの中には、以前の麻疹ワクチンと風疹ワクチンのそれぞれ1 回分と同じ量の免疫(抵抗力)を作る成分が含まれています。 したがってMRワクチンを2回接種することは、以前の麻疹ワクチンを2回と 風疹ワクチンを2回接種することと同じことになります。
 

Q:標準の接種年齢と回数は?

A: 第1期: 生後12ヶ月〜生後24ヶ月までに1回
   第2期: 5歳以上7歳未満の者であって、小学校就学の始期に達するまでの日の1年前の日から当該始期に達する日の前日までの         間(いわゆる幼稚園の年長児)までに1回
  第3期: 中学1年生に相当する1年間(満13歳に達する年度)までに1回
  第4期: 高校3年生に相当する1年間(満18歳に達する年度)までに1回
※第3、4期は平成20年(2008年)4月〜平成24年(2012年)3月末までの5年間のみです。
 

Q:副反応はある?

A: 麻疹ワクチンについては、接種後約1週間して、発熱や発疹などが、100人中2人くらいの人に現れますが、いずれも症状は軽く、1〜2日でよくなります。まれに熱性けいれんがおこることもあります。 脳炎が100万人に1人ときわめてまれにおこります。
風疹ワクチンについては、100人中4人以下ですが、微熱や発疹、リンパ節のはれがみられることがあります。

 

Q:次に別のワクチンを接種するまでの期間は?

A: 注射の生ワクチンを接種する場合は27日以上、不活化ワクチンの場合は制限なし
 

Q:卵アレルギーの場合はどうすればよいでしょうか?

A:麻疹のワクチンには、製造過程で卵を利用するのでわずかですが卵の成分が混じっている可能性があります。
そのため、強い卵アレルギーのある人はワクチンによってアレルギー反応を起こす可能性があります。
そのような人には、アレルギーテストを行いながらワクチンを受けることができます。
当院の受付でお尋ねください。
 

Q:注意事項はある?

A:・あらかじめ成人女性が接種する時は妊娠していないことを確認してください。また接種後約2ヶ月間は避妊してください。
  ・卵アレルギーが強い人は、アレルギー症状がでることがありますので、注射をうつ前に先生とよく相談してください。
 

Q: 卵アレルギーの人はどのように接種すればよいのでしょうか?

A: http://www.medicos.jp/1-yobou/qa-wakutin-kaisetu/q-else.html ページ  参照
 

Q: 最近おとなの麻疹が多いそうですがどうしてですか?

A: 以前受けたワクチンの効果が低くなってきていることがおもな原因です。 予防接種がひろくおこなわれるようになったため麻疹の大きな流行が少なくなりブースター効果を受ける機会が減ってきたのです。 MR(麻疹風疹)ワクチンの2回目の接種は忘れずに受けることが必要です。
 

Q: 1歳未満の子どもにワクチンを接種できますか?

A: 周囲に麻疹が流行している場合に予防的に接種することはできます。 この場合お母さんからの免疫によってワクチンの効果が低くなる可能性がありますので、1歳を過ぎたらあらためてワクチンを接種することが必要です。
 

Q: ワクチンを接種していない人が麻疹の患者さんと接触した場合どうすればよいのでしょう?

A: 麻疹にかかっている人と接触した日がはっきりわかっている場合は、72時間(3日間)以内であればワクチンを接種して麻疹の発症を予防することができます。 一方いつも一緒にいた人が麻疹を発症した場合は、すでに感染して4〜5日たっていると考えられますのでワクチンを受けても効果はありません。 この場合はガンマグロブリンを接触して6日以内に受ければ麻疹の発症をおさえたり病気を軽くしたりすることができます。 ただしガンマグロブリンは血液製剤であることを承知しておかなければなりません。 また、ガンマグロブリンの効果は一時的なものですから3カ月以降に麻疹ワクチンを受けて免疫を確実につけておくことが大切になります。
 

Q: 麻疹にかかった後ほかのワクチンの接種はどのくらいあける必要があるのでしょうか?

A: 風疹やおたふくかぜなどにかかったときと同様1カ月以上は接種を見合わせますが、麻疹にかかった場合は体の抵抗力がかなり低くなっていますので2ヶ月くらいワクチンの接種を見合わせるように指導されることもあります。
 

Q: 風疹(MRワクチン)を2回接種しておけば妊娠しても心配はないですか?

A: ワクチンを2回接種しても風疹に対する免疫が十分にできているとは限りません。 妊娠可能な年齢になったら血液検査で風疹に対する免疫の有無を確かめていくことが必要です。
 

Q: 風疹ワクチンを受けた後に成人女性はどのくらい避妊をすればよいでしょうか?

A: 日本では2カ月間、アメリカでは3カ月が指導されています。
 

Q: 先天性風疹症候群について教えてください。

A: 風疹の免疫をもっていない妊婦が妊娠初期(5か月まで)に風疹にかかると、おなかの赤ちゃんが胎盤を通して風疹ウイルスに感染し、心臓の奇形、白内障、聴力障害をおもな症状とした赤ちゃんが生まれる可能性が高くなります。
 

Q: 妊娠中に風疹に対する抗体がないことが分かった場合ワクチンはいつ接種すればよいのでしょうか?

A: 出産後すぐから接種できます。 母乳を通じて赤ちゃんにワクチンのウイルスがわずかながら移りますが、赤ちゃんに影響はありません。
 

Q: 麻疹あるいは風疹にかかったことがある場合MRワクチンを受けてもよいのでしょうか?

A: 麻疹あるいは風疹にかかったことがある人がMRワクチンを接種しても問題はありません。 麻疹あるいは風疹に確実にかかったことがはっきりしている人は、麻疹あるいは風疹ワクチンを分けて接種することができます。
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